国の財政は歳出額が税収を大きく上回り、歳入の不足分を国債発行に依存する赤字の状態です。18年度予算の歳入約98兆円のうち税収でまかなわれるのは6割程度で、残りの大半は国債発行で補っています。
国債の発行残高は18年度末時点で約883兆円に達する見込みです。国民1人当たり約700万円の借金を抱えている計算になります。地方を含めた国全体の債務残高の名目国内総生産(GDP)に対する比率は200%を超えており、主要先進国では最悪の水準です。これほどまでに財政状況が悪化した背景には、医療や年金、介護など社会保障関連の支出が増えていることがあります。赤字を埋め合わせるために発行した国債の償還や利払いに充てる国債費の増加も、財政を圧迫する一因となっています。