ビジュアル・ニュース解説

国家予算と財政の現状を知る

2018.7.16 掲載
政府は2018年6月の閣議で、次年度の予算編成の方針となる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)を決定しました。方針に盛り込まれた新しい財政健全化計画では、政策の経費を借金をせずにまかなう基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)黒字化の目標時期をこれまでより5年先送りして25年度としました。目標の達成には1年間の支出(歳出)の一層の削減と収入(歳入)の国債発行以外による拡大が避けられません。今回は日本の国家予算と財政の現状について解説します。

3.予算編成は財務省中心から首相官邸主導に

 国の予算を審議し決めるのは国会ですが、かつては大蔵省(現財務省)が中心となって実質的に省庁主導で予算編成を進めていました。省庁ごとの縦割りで予算案が作られるので各分野の予算額が固定化しやすく、無駄が多いとの指摘がありました。
 01年に発足した小泉純一郎政権は、首相が議長を務める経済財政諮問会議が骨太の方針を策定し、各省庁がこれに沿って概算要求をすることとし、これ以降は首相官邸主導の予算編成が定着しました。09年から12年までの民主党政権下では諮問会議は休止されましたが、12年末に安倍晋三政権が誕生してからは復活し、骨太の方針を毎年策定しています。
2018年7月16日掲載