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高まるコーヒー人気~基礎と最新事情を知る

2018.5.21 掲載
国内のコーヒー消費量が増加傾向にあります。2016年まで4年連続で過去最高を更新し、17年も前年比微減となったものの高水準が続いています。コンビニエンスストアのいれたてコーヒー普及に加え、豆の品質や自家焙煎(ばいせん)、いれ方にこだわる「サードウエーブ(第3の波)コーヒー」の拡大などを背景にコーヒー市場が活気づき、大手カフェチェーンや関連メーカーは新たな商品やサービスを投入しています。今回はコーヒーの基礎知識や歴史、関連業界の動向について解説します。

1.熱帯地域で生産されるコーヒー豆(1)

1.熱帯地域で生産されるコーヒー豆(1)
 コーヒーの原料のコーヒー豆はアカネ科の常緑樹「コーヒーノキ」の種子です。熟すとサクランボのように赤くなるため「コーヒーチェリー」と呼ばれる1.5~2センチメートルの実から外皮や果肉、内果皮などを取り除いたものを生豆(なままめ)といい、これを焙煎したものがコーヒー豆です。
 コーヒー豆は赤道を中心に北緯・南緯それぞれ25度線にはさまれた「コーヒーベルト」と呼ばれる熱帯地域で生産されます。そのなかでも育成に適しているのは、高地で水はけが良く日照が適度で、雨季と乾季があるなどの条件を満たす場所です。16年の国別生産量のトップ3はブラジル、ベトナム、コロンビアで、日本が輸入するコーヒー豆の約7割をこの3カ国産が占めます。
 世界で流通するコーヒー豆の主な品種には「アラビカ種」と「カネフォラ種(ロブスタ種)」があり、産地や栽培地域などにより「ブラジル」「モカ」「ブルーマウンテン」など多くの銘柄があります。
2018年5月21日掲載