日本のGDP統計は約5年に1度、計算基準を大幅に改定(基準改定)しています。直近の16年の改定では、国連が09年2月に採択した国際基準に対応したため、大幅な変更となりました。最大の変更点はそれまで付加価値を生み出さない経費としていた企業の研究開発費を、付加価値を生む投資と捉えてGDPに加えると定めたことです。これにより15年度の名目GDPは旧基準による算出値より31.6兆円増え、532.2兆円となりました。
さらに政府は四半期ごとの速報値の精度向上やサービス部門の統計充実など、GDP統計の改革を進めています。産業構造の変化に対応し、景気動向をより正確に把握できるようにするのが狙いです。経済財政諮問会議が16年12月に決定した「統計改革の基本方針」に基づき、政府が設置した統計改革推進会議は17年5月に最終報告をまとめました。GDP算出に使う法人企業統計の調査の一部前倒しにより精度向上を目指すなど、30年度までに段階的に見直しを進める計画です。