前の期間と比べたGDPの伸び率が経済成長率です。経済成長率が高ければ、国の経済活動が活発で、企業の収益や個人の所得が伸び、景気が良い状態と判断できます。逆に経済成長率が低ければ、景気が減速していることを表します。
ただし、景気動向を正確に判断するには物価の変動を考慮する必要があります。例えば国の経済活動の規模が変わらなくても、モノやサービスの価格が前年よりも5%上昇すれば、モノやサービスの付加価値の額は5%増えるので、統計上はGDPも5%増えることになるからです。こうした物価変動を加味して調整したものを実質GDP、調整していないものを名目GDPといい、それぞれの伸び率が実質経済成長率と名目経済成長率です。経済の実力を判断するには通常、実質経済成長率を用います。