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GDPについて知る

2018.4.2 掲載
国内総生産(GDP)は国の経済規模や景気動向を表す指標です。好調な輸出と設備投資を背景に、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値は年率換算で2017年10~12月期まで8四半期連続増加しています。政府は近年、GDPがより経済の実態を反映するよう算出方法の見直しを進めています。今回はGDPの概要や経済成長率の推移、政府のGDP統計改革について解説します。

2.GDPの伸び率の経済成長率で景気動向を判断

2.GDPの伸び率の経済成長率で景気動向を判断
 前の期間と比べたGDPの伸び率が経済成長率です。経済成長率が高ければ、国の経済活動が活発で、企業の収益や個人の所得が伸び、景気が良い状態と判断できます。逆に経済成長率が低ければ、景気が減速していることを表します。
 ただし、景気動向を正確に判断するには物価の変動を考慮する必要があります。例えば国の経済活動の規模が変わらなくても、モノやサービスの価格が前年よりも5%上昇すれば、モノやサービスの付加価値の額は5%増えるので、統計上はGDPも5%増えることになるからです。こうした物価変動を加味して調整したものを実質GDP、調整していないものを名目GDPといい、それぞれの伸び率が実質経済成長率と名目経済成長率です。経済の実力を判断するには通常、実質経済成長率を用います。
2018年4月2日掲載