続投が固まった日銀の黒田総裁は第2次安倍晋三政権発足後の13年3月に就任。2年で2%の物価上昇を目標にしてデフレからの脱却を目指す「異次元の金融緩和」で、安倍首相の経済政策「アベノミクス」を支えてきました。国債や上場投資信託(ETF)などを大量に買い入れたり、民間銀行が日銀に預け入れる預金金利をマイナスにしたりするなど、それまでの金融緩和とは量も質も異なる金融緩和策を進めました。
しかし、企業の業績は上向いたものの、賃金水準の改善や個人消費の拡大にはつながらず、2%の物価目標は達成されていません。デフレからの脱却を達成し、金融政策の正常化への出口戦略をいかに打ち出すかが黒田日銀の課題です。