ビジュアル・ニュース解説

シェアリングエコノミーについて知る

2018.3.5 掲載
モノや場所、サービスを融通し合うシェアリングエコノミーが急速に広がりつつあります。住宅に旅行者を有料で泊める民泊を本格解禁する法律が2018年6月に施行されるのを控え、企業の参入が相次いでいます。今回はシェアリングエコノミーの考え方や事業、普及への課題などについて解説します。

3.世界で利用広がる民泊やライドシェア

3.世界で利用広がる民泊やライドシェア
 シェアリングエコノミーの代表例が民泊です。個人がマンションや戸建て住宅の空き部屋を旅行者らに有料で貸し出すもので、ネットを通じた仲介サービスが世界で人気を集めています。08年に創業した世界最大手の米エアビーアンドビーは190を超える国・地域でサービスを展開し、日本でも利用者が増えています。貸し手は空き部屋を有効活用できるうえ、世界中の旅行者と交流できることが魅力です。一方、借り手は宿泊費を抑えられ、旅行先の生活や文化を肌で感じることができます。
 自家用車に乗客を有料で乗せるライドシェア(相乗り)もシェアリングエコノミーの一つです。利用者がスマートフォン(スマホ)から配車を依頼すると、全地球測位システム(GPS)を利用して居場所を特定し、付近の迎車できるドライバーを手配します。利用者はタクシーよりも安い料金で目的地まで運んでもらえ、ドライバーは空き時間を使って収入が得られます。米最大手が09年に創業したウーバーテクノロジーズです。
 エアビー、ウーバーの両社は培った顧客基盤を生かし、旅行や外食など他の分野の市場開拓に乗り出しています。エアビーは17年11月、全日本空輸グループと共同で民泊と航空券を組み合わせて予約できるサイトを立ち上げました。エアビーが日本の航空会社と連携するのは初めてです。サイトを通じてエアビーの宿泊先に泊まると、宿泊料金に応じて全日空グループのマイルがたまります。マイルを付与することでエアビーのサービス利用を促すのが狙いです。
 ウーバーは16年9月、飲食店の料理宅配サービス「ウーバーイーツ」を東京都内で本格的に始めました。消費者がスマホのアプリで注文した料理を、配達員として登録した一般の人が届けるもので、サービスの展開地域を拡大しながら利用者を増やしています。
2018年3月5日掲載