冬季五輪は近代五輪の1つで、スキーやスケートなどウインタースポーツを対象に夏季五輪と同様、4年に1度開かれます(近代五輪の概要については「2020年夏季五輪、東京開催が決定 ~近代五輪の基礎と経済効果を知る」を参照)。
冬季五輪は第1回夏季大会開催の28年後の1924年に始まりました。国際オリンピック委員会(IOC)が近代五輪を始めた当初は冬に五輪を開く発想はありませんでしたが、08年のロンドン大会の数年前に欧州初の室内人工スケートリンクが登場。冬に限らずフィギュアスケートができるようになり、ロンドン五輪の競技種目にウインタースポーツのフィギュアスケートが加わりました。20年のアントワープ大会ではアイスホッケーも加わり、冬季五輪の開催機運が高まったことから、21年のIOC総会で議題として取り上げられました。しかしスキーの国際大会をすでに主催していたノルウェーなど北欧諸国が開催に反対したため22年の総会で、試験的に大会を開き、その結果を見て冬季五輪を開催するかどうかを決めることになりました。
24年にフランスのシャモニーで開かれたIOC後援の「国際冬季競技会」には16カ国から選手258人が参加。スキー、スケート、アイスホッケー、ボブスレーの4競技と、公開競技(デモンストレーション)のカーリングとミリタリー・パトロール(バイアスロンの前身)の計6競技16種目が行われました。競技では北欧諸国が圧勝してウインタースポーツの王者としての存在感を示し、大会は成功に終わりました。
この結果を受け、IOCはシャモニー大会を第1回冬季五輪として追認し、その後も冬季五輪を続けることを決めました。冬季五輪は以後、92年のアルベールビル大会まで夏季五輪と同じ年に開かれましたが、94年の第17回リレハンメル大会からは夏季と冬季が2年ごとに交互に開催されています。