プロ将棋界はこれまで、人気棋士が登場するたびに脚光を浴びてきました。1996年には羽生善治名人(当時)が史上初めて7大タイトルのすべてを同時に独占し、将棋界に注目が集まりました。
2017年は1人の中学生が旋風を巻き起こしました。最年少プロ棋士の藤井聡太四段がデビュー戦から無敗を続け、6月に公式戦29連勝を達成。30年ぶりに連勝記録を更新した活躍で、将棋人気が再び高まりました。
これを受けて、インターネットテレビ「アベマTV」は同年2月に将棋の専門チャンネルを開設してプロ棋士の対局を放映し、若い世代を中心に視聴者を増やしています。ドワンゴの動画配信サービス「ニコニコ生放送」では将棋が目玉コンテンツの一つになっています。スマートフォン向けの将棋ゲームアプリはダウンロード数が増えたほか、将棋をテーマにした漫画が原作の映画『3月のライオン』が若い女性層の心をつかみました。
藤井四段は既にトップレベルの技量を持っているといわれており、最年少でのタイトル獲得に期待がかかります。「永世7冠」を達成した羽生棋聖らトップ棋士の壁を打ち破ることができるのか。今後の将棋界から目を離せなくなりそうです。