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将棋ブーム再び到来~プロ棋士について知る

2017.12.18 掲載
プロからアマチュアまで幅広く親しまれている将棋。2017年は史上最年少のプロ棋士、藤井聡太四段が公式戦29連勝の最多記録を達成したことなどをきっかけに、将棋ブームに沸きました。関連するグッズや書籍の売り上げが伸び、将棋をテーマにしたコミックや映画が話題を呼ぶなど、人気のすそ野は若者にまで広がっています。12月には羽生棋聖が史上初となる7大タイトルすべての永世称号を獲得する偉業を成し遂げました。今回は将棋の歴史とプロ棋士の世界について解説します。

5.年に4人しかプロ棋士になれない狭き門(2)

 プロ将棋界はこれまで、人気棋士が登場するたびに脚光を浴びてきました。1996年には羽生善治名人(当時)が史上初めて7大タイトルのすべてを同時に独占し、将棋界に注目が集まりました。
 2017年は1人の中学生が旋風を巻き起こしました。最年少プロ棋士の藤井聡太四段がデビュー戦から無敗を続け、6月に公式戦29連勝を達成。30年ぶりに連勝記録を更新した活躍で、将棋人気が再び高まりました。
 これを受けて、インターネットテレビ「アベマTV」は同年2月に将棋の専門チャンネルを開設してプロ棋士の対局を放映し、若い世代を中心に視聴者を増やしています。ドワンゴの動画配信サービス「ニコニコ生放送」では将棋が目玉コンテンツの一つになっています。スマートフォン向けの将棋ゲームアプリはダウンロード数が増えたほか、将棋をテーマにした漫画が原作の映画『3月のライオン』が若い女性層の心をつかみました。
 藤井四段は既にトップレベルの技量を持っているといわれており、最年少でのタイトル獲得に期待がかかります。「永世7冠」を達成した羽生棋聖らトップ棋士の壁を打ち破ることができるのか。今後の将棋界から目を離せなくなりそうです。
2017年12月18日掲載