ビジュアル・ニュース解説

日米貿易不均衡、強まる是正圧力

2017.11.20 掲載
米国のトランプ政権発足後、貿易不均衡が日米間の重要な外交問題になっています。2017年2月に両国首脳が日米経済対話の設置で合意。同年10月までに会合が2度開かれ、今後の通商協議の行方に関心が高まっています。トランプ米大統領は同年11月の初来日の際も、日本政府に改めて貿易不均衡の是正を強く求めました。今回は日米間の貿易摩擦と経済協議の経緯や背景、今後の交渉の見通しについて解説します。

3.個別品目だけでなく、構造問題も協議(2)

3.個別品目だけでなく、構造問題も協議(2)
 80年代後半からは個別の品目ではなく、日米の市場構造や法規制、商慣行など、貿易不均衡をもたらす要因について幅広く協議するようになりました。89年からの日米構造協議では日本の排他的取引慣行や系列関係などが議題となり、政府は独占禁止法の厳格な運用や大規模小売店舗法の規制緩和などに応じました。93年に始まった日米包括経済協議では構造問題に加え、米側の関心が高い自動車・同部品や保険など個別分野の市場開放や規制緩和について討議しました。
2017年11月20日掲載