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次世代無線通信規格の5Gでどう変わる?

2017.11.6 掲載
次世代の超高速通信規格「第5世代(5G)」のサービスが2020年にも始まります。自動運転車の安全走行を支え、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTの基盤として期待されており、国内外の通信大手が関連サービスの開発を急いでいます。今回は5Gまでの無線通信規格の進化の経緯、5G導入の暮らしや産業への影響、導入スケジュールや通信各社の実用化への課題について解説します。

4.国内では2020年にもサービス開始

4.国内では2020年にもサービス開始
 日本では20年の東京五輪・パラリンピック開催に合わせてサービスが始まる見込みです。NTTドコモがスウェーデンの通信機器大手エリクソンなどと共同実験を始め、KDDIがフィンランドの通信機器大手ノキアと技術開発で提携するなど、実用化に向けて動き始めています。米国や韓国、中国なども早期の商用化を目指しています。
 5Gの普及には国際的な規格統一が欠かせません。5Gの規格は15年9月から国際的な標準化団体「3GPP」が中心となって策定を進めてきました。17年3月には参加する大手通信関連の40社以上が規格の早期決定で合意し、同年内に策定を大筋で終える見通しです。規格が統一されれば、IoTなど5Gを使った新たなビジネスを各国で展開しやすくなります。日本の通信関連企業にとっては海外市場開拓の好機となりそうです。ただ、5Gの実用化には基地局や光ファイバー網の整備など巨額な設備投資を伴います。通信各社は投資リスクを抑えながらサービスを充実させていくことが求められます。
2017年11月6日掲載