ビジュアル・ニュース解説

次世代無線通信規格の5Gでどう変わる?

2017.11.6 掲載
次世代の超高速通信規格「第5世代(5G)」のサービスが2020年にも始まります。自動運転車の安全走行を支え、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTの基盤として期待されており、国内外の通信大手が関連サービスの開発を急いでいます。今回は5Gまでの無線通信規格の進化の経緯、5G導入の暮らしや産業への影響、導入スケジュールや通信各社の実用化への課題について解説します。

3.実用化へ周波数帯域の確保が必要に

3.実用化へ周波数帯域の確保が必要に
 ただ、5Gの実用化にはまだ技術的課題が残っています。その1つが周波数帯の広域化です。高速・大容量の無線通信を実現するためには周波数帯域を確保する必要がありますが、これまで通信・放送に使われてきた低い周波数帯はすでに飽和状態にあり、高い周波数帯を活用する必要があります。しかし、高周波数帯は電波が遠くまで届きにくく、安定性が低いため、高い周波数帯と既存の低い周波数帯を組み合わせることで安定性を確保する方法が考えられています。4Gでは基地局と端末がそれぞれ複数のアンテナを利用する「MIMO」という技術を採用していましたが、5Gではこれを高度化した技術「Massive MIMO」を採用することで、高周波数帯での伝送の質を高めることが検討されています。
 このほか、基地局と端末の間でデータ送信の間隔を短縮し、データのやり取りの待ち時間を減らすことで通信の遅延を低減する技術も開発されています。
2017年11月6日掲載