ブランド米の急増にともなって自治体間の販促競争も激化しており、東京都内などで大規模なイベントの開催が目立っています。16年12月に東京・銀座で開かれた岩手県の新ブランド米「金色(こんじき)の風」の発表会では達増拓也知事が自らその魅力をアピール。新米が出始めた同年10月には新潟県が新ブランド「新之助(しんのすけ)」、青森県も15年に登場した「青天の霹靂(へきれき)」の販促イベントをそれぞれ都内で開催しました。自治体による販促活発化のきっかけをつくったのは山形県です。生産を徹底管理した「つや姫」を10年に投入し、吉村美栄子知事が先頭に立ってメディアにPRしました。これが奏功し、つや姫は一気にファンを増やし、現在では高値で取引される高級ブランド米に成長しています。
産地がブランド米を競うように投入し、販促を強化している背景には、国内のコメ消費量が減り続けていることがあります。消費量は毎年8万トンペースで減っており、新ブランド米を投入し、販促に力をいれることで、小売店で常に販売してもらえる知名度の獲得を狙っています。
また、政府が農家に補助金を出してコメの作付けを制限する減反が18年産から廃止されるため、農家は所得を引き上げるためのコメづくりが急務となっています。そこで高値での販売が期待できるブランド米の開発に注力しています。