ビジュアル・ニュース解説

「宗像・沖ノ島」が世界遺産に~登録の現状を知る

2017.9.4 掲載
2017年7月に福岡県の古代遺跡「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界遺産への登録が決まりました。国内での登録は5年連続で21件目です。ただ、登録を決める国連教育科学文化機関(ユネスコ)は新規登録の抑制策を検討するなど、近年は審査を厳格化しています。今回は世界遺産とは何かや登録への手順、課題などについて解説します。

2.候補の暫定リストから締約国が推薦、専門家の調査を踏まえ登録の可否を決定(1)

2.候補の暫定リストから締約国が推薦、専門家の調査を踏まえ登録の可否を決定(1)
 世界遺産としての顕著な普遍的な価値を測る“ものさし”がユネスコの定める登録基準です(上図参照)。世界遺産に登録されるには(ⅰ)~(ⅹ)の登録基準のうち、いずれか1つ以上に当てはまらなければなりません。
 このほか、完全性=遺産の価値を構成する必要な要素がすべて含まれていること、真実性=主に建造物や遺跡などの文化遺産が本物の芸術的、歴史的な価値を持つことの2条件を満たすとともに、適切な保護管理体制の確保も求められます。
2017年9月4日掲載