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コンビニ業界の最新事情について知る

2017.7.3 掲載
コンビニエンスストア業界はこれまで店舗数と売上高を右肩上がりで増やし続けてきました。しかし、最近は異業種との競争激化で来店客数が伸び悩み、人手不足が逆風となり出店ペースが減速するなど、経営環境に変化が見られます。今回はコンビニ業界の成長の経緯、再編の動向、直面する課題などについて解説します。

1.70年代に国内に登場、生活インフラとして定着

1.70年代に国内に登場、生活インフラとして定着
 コンビニエンスストアは小規模の売り場に食品や日用品を中心に豊富な商品を取りそろえた小売店です。経済産業省の商業統計の業態分類では、飲食料品を扱い、売り場面積が30平方メートル以上250平方メートル未満、営業時間が1日14時間以上のセルフサービス方式の販売店と定義しています。
 全店舗の約9割は年中無休の24時間営業で、住宅地やオフィス街、駅前、主要道路沿いなどに立地しています。必要な商品をいつでも買える、文字通りの便利さ(コンビニエンス)が最大の特徴です。多くは大手資本がフランチャイズチェーン(FC)方式で展開しています。
 コンビニはもともと米国で生まれた業態で、日本では1970年代からいくつかのチェーンが独自の発展を遂げました。POS(販売時点情報管理)を核とした商品管理の徹底と、多品種少量配送に対応する高度な物流システムにより、販売効率の高い経営をしています。
 公共料金の支払いや宅配便の取り次ぎ、銀行のATM・郵便ポストの設置などサービスの拡充を積極的に進めた結果、私たちの暮らしに欠かせない生活インフラとして定着しました。
 近年では、青果・精肉などの生鮮品を取り扱う新店鋪や、いれたてコーヒー、パン、菓子、総菜などのPB(プライベートブランド=自主企画)商品の拡充などにより新たな需要を開拓しており、出店場所は病院や大学、駅の構内などにまで広がっています。
 販売する商品やサービスの拡充と積極的な出店によりコンビニ市場は拡大が続いており、日本フランチャイズチェーン協会によると2016年の総売上高は全店ベースで10兆5722億円、総店舗数は12月末時点で5万4501店に達しています。
2017年7月3日掲載