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コンビニ業界の最新事情について知る

2017.7.3 掲載
コンビニエンスストア業界はこれまで店舗数と売上高を右肩上がりで増やし続けてきました。しかし、最近は異業種との競争激化で来店客数が伸び悩み、人手不足が逆風となり出店ペースが減速するなど、経営環境に変化が見られます。今回はコンビニ業界の成長の経緯、再編の動向、直面する課題などについて解説します。

5.規模追求から店鋪の採算重視へシフト(3)

 国内のコンビニ店舗数が5万店を超え、市場は飽和状態にあるとの見方があり、各社はこれを打開するため高齢者や女性を引きつける店づくりに力を入れています。海外展開の拡大も進める方針で、ローソンは新規出店の加速で19年2月期に海外事業の営業損益を黒字にする計画です。
 最近はパートやアルバイトの人手不足が出店の足かせになっており、大手5社は人手不足の解消を狙って25年までに、お客が自分で会計するセルフレジを国内の全店舗に導入します。ファミリーマートは保育施設や時短勤務の制度などを整備し、17年から2年で店鋪に10万人の主婦の採用を目指すほか、ローソンは17年秋をめどに研修を受けた従業員を加盟店に派遣するサービスを全国で展開します。このほか、食器洗浄機の導入など店舗運営の効率化や、シニア、主婦の雇用増に向けたレジ打ち体験イベントの開催など、FC加盟店への支援を強化しています。
 経営環境が厳しさを増すなか、これまで急成長を続けてきたコンビニが今後も成長を持続できるかが注目されます。
2017年7月3日掲載