VR(Virtual Reality)はCGによる人工的な空間や現実の風景を取り込んだ映像をゴーグル型の機器に映すことで、その場所にいるかのように感じさせる技術です。スタジアムの観客席にいるかのようにスポーツを観戦したり、深海や宇宙空間などの通常は行けない場所を疑似体験したりできるほか、SFやファンタジーのような非現実の世界もCG映像によって楽しめます。
頭に装着するゴーグル型の専用機器は「ヘッドマウントディスプレー(HMD)」と呼ばれます。高解像度のディスプレーを内蔵し、装着した人が上下左右どの方向を見ても臨場感のある映像を映し出します。
16年にはHMDの発売が相次ぎました。3月に米フェイスブック傘下のOculusが「Rift」の出荷を始め、翌4月には台湾の宏達国際電子(HTC)が「ヴァイブ」を発売。10月にはソニー・インタラクティブエンタテインメントが家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」でVRコンテンツを楽しめるHMD「PSVR」の販売を始めました。HMDの充実でVRは注目を集めており、特にPSVRは価格がPS4と専用カメラを合わせて10万円を切る安さから、17年6月時点の販売台数が世界で100万台を超えてブームのけん引役となっています。