上場企業の17年3月期の連結決算が17年5月に出そろいました。日本経済新聞社が5月19日までに発表を終えた1555社(金融などを除く)を集計したところ、急ピッチで円高が進んだ影響で売上高は前の期に比べて3%減りましたが、純利益は18%増えました。製造業の純利益の伸びは5%にとどまったものの、商社や通信など非製造業が健闘し、全体で2年ぶりに増益となって過去最高を更新しました。最高益企業は全体の3割近くに上りました。
18年3月期も、資源価格の回復を背景に好調を維持するとみられる商社や世界で稼ぐ力を取り戻した電機がけん引し、純利益は2年連続で過去最高を更新する見通しです。
ただし、中国の景気減速への懸念が浮上しており、米トランプ政権の政策の先行き次第では為替が再び円高となる恐れがあります。英国の欧州連合(EU)離脱に揺れる欧州情勢や北朝鮮の動向など、国際政治の不安要因も少なくありません。国内の人手不足の深刻化が成長の妨げとなる可能性もあります。