企業が決算をするのは、自社の経営成績や財務状況を把握するためです。決算データを見れば、その期間中にどれくらいもうかったのか、借り入れたお金や株主からの出資金を有効活用できているかなどが一目でわかり、「この事業の業績が好調なので、さらに注力しよう」「無駄な借金が多いので減らそう」といった経営判断ができます。
決算データは社外の利害関係者(ステークホルダー)にとっても重要です。投資家の投資や、銀行の融資、取引開始などの判断材料になります。株式が市場で売買される上場企業は、決算の開示が義務づけられています。
上場企業の決算開示によって、健全な投資や商取引の安全確保が期待できますが、決算の内容が正確でなければ意味がないため、内容をチェックする仕組みがあります。
その一つが株主総会です。会社がまとめた決算は、株式会社の所有者である株主が参加する株主総会の承認が必要です。
もう一つは監査法人によるチェックです。5人以上の公認会計士が設立する監査法人が決算をチェックし、「正しい」とのお墨付きを与えます。金融商品取引法は上場企業に公認会計士による監査を義務付けており、資本金5億円以上または負債が200億円以上の会社は会社法によって同様の監査が求められます。
このほか、上場企業は四半期と1年ごとにそれぞれ四半期報告書と有価証券報告書を金融庁に提出する義務があります。