ビジュアル・ニュース解説

決算のしくみについて知る

2017.6.5 掲載
証券取引所に株式を上場する企業は3カ月や1年ごとに、業績や財務状況を決算として開示します。上場企業の2017年3月期の連結決算は、売上高は円高が進んだ影響で前の期に比べ微減となりましたが、純利益は2年ぶりに過去最高を更新しました。今回は決算の概要や読み解くポイント、上場企業の17年3月期決算のあらましと今後の業績見通しなどについて解説します。

3.損益計算書と貸借対照表のチェックが重要(2)

3.損益計算書と貸借対照表のチェックが重要(2)
 貸借対照表は財産や借金の状況を示したもので、バランスシート(B/S)とも呼びます。「資産の部」「負債の部」「純資産の部」に分かれており、資産の部は現金や預金、在庫、不動産など財産の目録です。商品やサービスを販売したものの、代金がまだ支払われていない売掛金もここに含まれます。負債の部には銀行からの借入金や未払い代金などが記載されます。まだ支払っていない製品・サービスの代金である買掛金もここに含まれます。純資産の部には会社を設立した時に準備したお金や株主の出資金(資本金)、過去の利益の蓄積などが記されています。純資産が多いと経営は安定しているとみなされ、負債が多く純資産が少ないと、経営環境が悪化したときに経営が揺らぎやすいと判断できます。
2017年6月5日掲載