ビジュアル・ニュース解説

宅配便に転機、その歩みと課題を知る

2017.5.15 掲載
小さめの荷物を自宅や企業のオフィスなどに届ける宅配便は、いまや生活を支えるインフラとして欠かせません。しかし、最近はインターネット通販の拡大で取扱数が想定以上に急増したため、必要な配達員数の確保が追いつかず、人手不足が深刻です。コストがかさむ再配達も増えており、これまでの利便性第一のサービスは見直しを迫られています。今回は宅配便サービスの概要やこれまでの歩み、直面する課題と事業者のその解消への取り組みについて解説します。

1.軽く小さめの荷物を1個単位で迅速に配送

1.軽く小さめの荷物を1個単位で迅速に配送
 宅配便はおおむね重さが30キログラム以下の軽くて小さめの荷物を配送するサービスです。小型の荷物を1個単位で送れるので個人が利用しやすく、企業間の小口輸送や企業から消費者へ直接商品を届ける通販などにも使われています。
 宅配便事業者は各地域の営業所とこれらを統括する物流ターミナルとのネットワークを構築して、右図のような流れで全国の多くの地域へ荷物を出した翌日に配送しています。高度な情報ネットワークの構築により、各拠点からの配送状況の情報をリアルタイムで管理しており、どの荷物が現在どこにあるかを常に把握できるようにしています。
2017年5月15日掲載