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有機ELについて知る

2017.4.17 掲載
スマートフォン(スマホ)やテレビの次世代ディスプレーの最右翼と期待される有機ELパネルがいよいよ本格的な普及期を迎えそうです。米アップルは年内に発売するスマホ「iPhone」の新型に有機ELパネルを採用するとみられ、韓国や中国などのメーカーが設備投資を拡大しています。国内電機メーカーも有機ELテレビの販売計画を相次ぎ発表しており、ディスプレーの液晶から有機ELへのシフトは加速の兆しを見せています。今回は有機ELパネルの基本的な仕組みや特長、国内外メーカーの動向について解説します。

4.日本メーカーの有機ELテレビ発売相次ぐ

4.日本メーカーの有機ELテレビ発売相次ぐ
 薄型テレビへの採用も広がっています。LGディスプレーが有機ELパネルの外部への販売を開始したことを伴い、15年にパナソニックが有機ELテレビを欧州で発売。17年中には国内で販売するのに続き、東南アジアなどにも投入する計画です。17年3月には東芝が有機ELテレビを発売。ソニーも有機ELテレビ市場に再参入し、17年春から夏にかけて欧米や中国で順次発売します。
 パネル事業では韓国勢の躍進が目立つものの、発光材料の有機化合物や製造装置では日本企業が高い技術力で存在感を示しています。発光材料は出光興産などが、製造装置はアルバックやキヤノントッキなどが先端技術を持っており、関連産業のすそ野の広さでも日本勢が優位に立っています。有機ELの本格的な普及で、日本勢が今後、技術力を武器に韓国勢に対してどこまで巻き返せるかが注目されます。
2017年4月17日掲載