ビジュアル・ニュース解説

有機ELについて知る

2017.4.17 掲載
スマートフォン(スマホ)やテレビの次世代ディスプレーの最右翼と期待される有機ELパネルがいよいよ本格的な普及期を迎えそうです。米アップルは年内に発売するスマホ「iPhone」の新型に有機ELパネルを採用するとみられ、韓国や中国などのメーカーが設備投資を拡大しています。国内電機メーカーも有機ELテレビの販売計画を相次ぎ発表しており、ディスプレーの液晶から有機ELへのシフトは加速の兆しを見せています。今回は有機ELパネルの基本的な仕組みや特長、国内外メーカーの動向について解説します。

2.日本メーカーが初めて実用化に成功、量産では韓国勢が先行

 有機ELディスプレーを初めて実用化したのは日本のメーカーです。1997年に東北パイオニアが世界で初めてカーステレオに搭載。2007年にはソニーが有機ELテレビを世界に先駆けて発売しました。ただ、有機ELテレビは価格が高かったこともあり、消費者の反応は鈍く、早々に販売を終了しました。
 現在、世界の有機ELパネル生産の中核を担うのは、量産体制を一気に整えた韓国メーカーです。スマホ向けはサムスン電子がシェアをほぼ独占しています。薄型テレビではLGディスプレーが上級モデルに搭載して販売を拡大しています。有機ELパネルを安定して量産できているのはこの2社だけです。
2017年4月17日掲載