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テレワークについて知る

2017.4.3 掲載
働き方改革推進の機運が高まるなか、時間や場所にとらわれず仕事ができる「テレワーク」を導入する企業が増えています。これまでは多くの企業が女性の働き手を念頭に置き、育児や介護と両立させるために自宅で働く在宅勤務を取り入れていましたが、最近はより幅広い社員へと対象が広がっています。今回は在宅勤務をはじめとするテレワークの種類とその歴史、企業の導入状況、関連サービスなどについて解説します。

1.ICT活用で時間や場所にとらわれない多様な働き方を実現

1.ICT活用で時間や場所にとらわれない多様な働き方を実現
 テレワークは遠く離れたという意味の「tele」と、働くを意味する「work」の英語を組み合わせた造語です。情報通信技術(ICT)の活用によって、自宅など職場以外で通常の勤務時間に制約されずに働くことを指します。インターネットにつながる高速通信回線やノートパソコン・携帯電話などの携帯端末の普及などで、勤務先を離れて様々な場所で働けるようになりました。
 自宅で仕事をする在宅勤務だけでなく、取引先や移動中の交通機関内、出張先のホテルなどで仕事をするモバイルワーク、会社や社外の業者が提供するオフィスで働くサテライトオフィス勤務もテレワークの一つです。「リモートワーク」と呼ぶ場合もあります。
 テレワークは育児や介護をしながら働くワークライフバランス(仕事と生活の調和)の実現につながります。通勤時間がゼロになったり短くなったりすれば、浮いた時間を業務に当てられるので労働時間を短縮できます。導入企業の社員の間では「仕事に集中できる」と評価する声が多く、業務効率の向上も期待できます。企業にとっては通勤費やオフィス維持費などのコスト削減につながるほか、多様な人材を獲得しやすくなります。
 育児中の女性や介護による離職者、シニアなどの雇用拡大による労働力不足の緩和、通勤者の減少やオフィス縮小に伴う環境への負荷軽減など、企業の枠組みを超えた利点も見込めます。
2017年4月3日掲載