チョコレートの主原料はカカオマスとカカオバターで、これに砂糖や粉乳などを加えて練り固めて作ります。
カカオマスとカカオバターはアオギリ科の常緑樹カカオの種子のカカオ豆から取れます。カカオは赤道の南北緯度20度以内の熱帯で、年間平均気温が27度以上で年間の気温差が小さく、年間降雨量が1000ミリ以上の地域で育ちます。この条件を満たす西アフリカや中南米、東南アジアがカカオ豆の主な産地で、国別生産量のトップ3はコートジボワール、ガーナ、インドネシアです。日本で使われるカカオ豆の多くはガーナ産です。
カカオは「クリオロ種」「フォラステロ種」「トリニタリオ種」の3種類に分けられます。それぞれ豆の味が違い、チョコレートメーカーは製品ごとにカカオ豆を選んでブレンドすることで特徴を打ち出しています。
カカオマスはカカオ豆を粗く砕いて皮などを取り除き、焙煎(ばいせん)した胚乳部分をすりつぶして固めたもので、とても苦いのが特徴です。カカオ豆に含まれる脂肪分であるココアバターは常温では固まっていますが、体温より少し低い温度で溶けます。このココアバターの特性がチョコレートの口どけをなめらかにしています。