ビジュアル・ニュース解説

世界の人口について知る

2017.1.16 掲載
世界の人口は2016年時点の約74億人から途上国を中心に増え続け、50年には97億人を超えると予測されています。人口増は労働力と消費の担い手を拡大し、経済成長の原動力となります。一方、先進国では少子高齢化が進行し、労働力不足や社会保障費の増大などの問題を抱えています。今回は世界の人口の推移や人口とその年齢構成の経済への影響などについて解説します。

3.出生率の低下と寿命の伸びで少子高齢化が進む先進国

3.出生率の低下と寿命の伸びで少子高齢化が進む先進国
 一方、欧米各国や日本の人口は減少傾向にあります。人口の増減を左右するのが合計特殊出生率です。これは1人の女性が生涯のうちに産む子どもの数の平均値です。日本の人口を維持するために必要な出生率は2.07とされます。つまり、死亡による自然減などを踏まえると、100組の夫婦から207人の子どもが生まれれば人口は変わらないことになります。15年の出生率は1.45で2年ぶりに上昇したものの2.07を40年以上下回り続けており、人口は減少しています。総務省の住民基本台帳に基づく16年1月1日時点の人口動態調査によると、国内に住む日本人の人口は前年から約27万人減の1億2589万1742人で、7年連続減少しました。
 先進国では出生率の低下と平均寿命の伸びにより、人口に占める子どもの数が減って65歳以上の高齢者の割合が増える少子高齢化が顕著です。なかでも日本は少子高齢化が急速に進行。総務省の人口推計によると、16年9月時点の65歳以上の人口は前年比73万人増の3461万人で、総人口に占める割合は27.3%に上り、人数・割合とも過去最高を更新しました。
2017年1月16日掲載