ビジュアル・ニュース解説

過去最大のワインブーム続く~その背景と最新事情を知る

2016.12.5 掲載
国内のワイン消費量が3年連続で過去最高となるなど、過去最大のワインブームが続いています。今回のブームをチリなど南半球の国からの輸入ワインとともにけん引しているのが日本産のブドウで造った国産ワインです。ブドウの品種や栽培法にこだわる造り手が増え、品質が向上したことから人気を集め、海外のコンクールで入賞するなど国外でも評価が高まっています。今回はワインの基礎知識や歴史、ブームの背景、国内メーカーの動向などについて解説します。

5.国内栽培のブドウだけで造った「日本ワイン」が人気集める(2)

 メルシャンによると、14年に輸入されたワインは約2900万ケースに上るのに対し、国産は約1300万ケース。このうち日本ワインに当たるのは95万ケースで、まだ全体の約2%にすぎません。日本ワインが世界の幅広い層に飲まれるようになるには、品質の向上だけでなく量の確保が欠かせません。
 日本ワインの生産を拡大するためには、まずブドウの生産量を増やす必要があります。国内のブドウ生産量を増やすため、メルシャンは27年までに60ヘクタールを開墾して栽培地を増やす計画のほか、サントリーワインインターナショナルは気象や木の水分量などのビッグデータを活用して栽培法を変えて生産性の向上を目指しています。世界の5大ウイスキー産地のひとつに数えられる「ジャパニーズ・ウイスキー」のように、日本ワインが世界に羽ばたくためには業界の積極的な取り組みが期待されます。
2016年12月5日掲載