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インフルエンザについて知る~進化する治療薬

2016.11.21 掲載
空気が乾燥し寒さが厳しいインフルエンザが流行する時期を間もなく迎えます。インフルエンザはこれまで、世界的な大流行で多くの死者を出したことが何度かありますが、特効薬が開発された現在では発病しても数日で完治します。さらに1日1回の服用で治療が期待できる新薬の開発が進んでおり、鼻の粘膜に噴霧するなどワクチンの接種方法も進化しています。今回はインフルエンザの基礎知識や新型発生の過程、治療薬とワクチンの開発動向について解説します。

6.進化が続く治療薬とワクチン(3)

 ただ、治療薬を使い続けることで、薬の作用に耐えられるウイルスが登場する恐れがあります。また、ワクチンはあらかじめ流行しそうなウイルスの種類を予測し、それに合うものを準備しますが、ウイルスが変異すると効果がほとんどなくなってしまいます。
 インフルエンザの感染拡大を防ぐには国や自治体、職場などが対策をとることが重要ですが、個人の自助努力も欠かせません。抵抗力が落ちないように栄養バランスのとれた食事をとって十分な睡眠を心がけたり、付着したウイルスを落とすため手洗いをこまめにしたりするとともに、せきやくしゃみによる感染を防ぐためマスクを着用。発症した場合にはウイルスが感染力を失うまで静養するなど、インフルエンザに対する正しい知識を踏まえた適切な自衛策が求められます。
2016年11月21日掲載