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インフルエンザについて知る~進化する治療薬

2016.11.21 掲載
空気が乾燥し寒さが厳しいインフルエンザが流行する時期を間もなく迎えます。インフルエンザはこれまで、世界的な大流行で多くの死者を出したことが何度かありますが、特効薬が開発された現在では発病しても数日で完治します。さらに1日1回の服用で治療が期待できる新薬の開発が進んでおり、鼻の粘膜に噴霧するなどワクチンの接種方法も進化しています。今回はインフルエンザの基礎知識や新型発生の過程、治療薬とワクチンの開発動向について解説します。

4.進化が続く治療薬とワクチン(1)

4.進化が続く治療薬とワクチン(1)
 インフルエンザの治療は近年、急速に進歩しています。2000年以降、治療薬が次々に開発されました。現在、使用されているものは飲み薬の「タミフル」、吸入する「リレンザ」や「イナビル」などがあります。
 より短期間での治療を目指した画期的な薬の開発も進んでいます。タミフルなど従来の薬は細胞内にウイルスを閉じ込めるもので、ウイルスの増殖を止めるわけではありません。このため原則5日間は薬を使い続け、その間は安静にする必要があります。これに対し、塩野義製薬が開発中の薬は細胞内に侵入したウイルスそのものを死滅させる効果が期待でき、1日1回の服用で治療できる可能性があります。同社は18年度に発売を目指しています。
2016年11月21日掲載