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インフルエンザについて知る~進化する治療薬

2016.11.21 掲載
空気が乾燥し寒さが厳しいインフルエンザが流行する時期を間もなく迎えます。インフルエンザはこれまで、世界的な大流行で多くの死者を出したことが何度かありますが、特効薬が開発された現在では発病しても数日で完治します。さらに1日1回の服用で治療が期待できる新薬の開発が進んでおり、鼻の粘膜に噴霧するなどワクチンの接種方法も進化しています。今回はインフルエンザの基礎知識や新型発生の過程、治療薬とワクチンの開発動向について解説します。

2.世界的な大流行で4000万人を超す死者を出したことも(1)

2.世界的な大流行で4000万人を超す死者を出したことも(1)
 インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3つの型があります。毎年流行するのはA型とB型で、特にA型は大流行することがあります。
 毎年、特定の季節に流行する季節性インフルエンザは、国内では11月下旬から12月上旬ごろに流行が始まり、翌年の1~3月ごろに患者数が増加。4~5月にかけて流行は収まります。暖冬だった2015~16年のシーズンは9年ぶりに流行が年明けにずれ込みました。
 冬に流行することが多いのは乾燥しやすい季節だからです。インフルエンザは感染者がせきやくしゃみをした際に飛び散った唾液などの飛沫を近くの人が吸い込むことなどによってうつります。乾燥すると飛沫が小さくなり、ウイルスがより遠くまで飛び散るため感染しやすくなります。気温の低さもウイルスには好都合で、気温が低ければウイルスが生存しやすくなります。
2016年11月21日掲載