ビジュアル・ニュース解説

領海と排他的経済水域~海の国境について知る

2016.9.19 掲載
四方を海に囲まれ、周囲の海の広さは世界有数の日本。日本はエネルギーなどの資源に乏しいため、海底に眠る資源の活用が期待されています。ただ、中国や韓国とは管轄する海域の境界をめぐり対立が続いています。今回は海域の区分や国際ルール、日本と周辺国との問題について解説します。

2.海洋大国の日本、漁業・海洋エネルギー資源に恵まれる

2.海洋大国の日本、漁業・海洋エネルギー資源に恵まれる
 日本の領土は約38万平方キロメートルで世界第62位の小さな国ですが、EEZと領海を合わせた海洋面積は約447万平方キロメートルを誇る世界第6位の海洋大国です。海洋面積が広大なのは大小6852もの島を抱えているためです。
 日本の周辺の海は水産資源に恵まれています。南北に長い日本の国土は亜寒帯から熱帯にまでわたり、生息する海洋生物は多様性に富んでいます。寒流の親潮と暖流の黒潮が流れ込む日本近海は魚を育むのに適しており、世界有数の漁場です。
 日本の陸地はエネルギー資源が乏しいですが、海域はエネルギー資源の宝庫でもあります。EEZ内の海底や海底下には石油や天然ガスのほか、分解すると天然ガスの成分であるメタンガスが得られる次世代エネルギー資源、メタンハイドレートなどが大量に存在していることがわかっており、今後の開発が期待されています。
2016年9月19日掲載