ビジュアル・ニュース解説

台風発生の仕組みや防災対策を知る

2016.9.5 掲載
主に夏の終わりから秋にかけて日本にやってくる台風。大型の台風が上陸すると、強風や大雨によって洪水や土砂災害などが起き、時には私たちの命や社会生活を脅かします。今回は台風発生の仕組みや台風がもたらす被害、政府・自治体の対策、身を守るための心構えなどについて解説します。

3.季節で異なる台風の進路(2)

3.季節で異なる台風の進路(2)
 台風は季節によって発生する場所や進路が異なります。春の台風は北半球の赤道に近い低緯度の海域で生まれます。台風は低緯度では北東から南西へ吹く貿易風の影響で西に進みます。一方、夏になると発生する場所の緯度は高くなり、いったん北西へと向かい、中緯度に進むと西から東へ吹く偏西風の影響で北東に進路を変えて日本に向かう台風が多くなります。
 1年間で最も台風の発生数が多いのは8月ですが、8月は太平洋高気圧の勢力が強いうえ、台風を移動させる上空の風がまだ弱いため、日本に近づく台風は多くありません。9月以降は太平洋高気圧の勢力が衰え、弧を描くように日本付近を通るようになります。
2016年9月5日掲載