欧米では以前から、タックスヘイブンを利用する多国籍企業が高収益を上げながら本国で払う税金を安く抑えていることが問題視されていました。財政悪化にあえぐ国が増えている近年は課税逃れを防ぐための国際協調が加速しています。経済協力開発機構(OECD)は14年に、各国の銀行口座などの課税情報を自動的に共有できる仕組みづくりを提案、約100カ国・地域が17年から情報交換を始めます。また、OECDと主要20カ国・地域(G20)は15年10月、多国籍企業の行き過ぎた課税逃れを防ぐ新たなルールを採択しました。具体的には本国の課税権を強化し、タックスヘイブンの子会社が稼いだ利益を本国の親会社の利益と合算して課税できるようにしました。日本を含む40カ国以上がこの新ルールに合意し、国内法の手直しに着手しています。