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投票が18歳からできるように~選挙権について知る

2016.6.6 掲載
2016年6月に改正公職選挙法が施行され、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられました。国政選挙では7月の参院選から適用されます。選挙権の拡大は1945年に女性の参政権が実現して以来約70年ぶりで、若者たちの声が反映されることで政治に新たな流れが生まれる可能性があります。今回は選挙権とは何かや、日本での選挙権拡大の歴史、選挙権年齢引き下げの経緯について解説します。

5.被選挙権年齢引き下げが今後の課題

5.被選挙権年齢引き下げが今後の課題
 選挙権年齢引き下げは実現しましたが、被選挙権年齢は従来通りのままで変更されていません。公職選挙法は被選挙権年齢について、衆院議員や地方議員は満25歳以上、参院議員や知事は満30歳以上と定めています。米国は25歳、フランスは23歳、ドイツは18歳で、海外と比べると日本は高くなっています。若者の政治参加を拡大するためには、被選挙権年齢の引き下げの議論が避けられません。選挙権年齢との整合性から、民法の成人年齢や少年法の適用年齢の引き下げも今後は検討課題となりそうです。
 選挙権年齢の引き下げに伴い、18、19歳に選挙運動が認められます。若者の政治参加への意欲が高まれば、低迷する投票率が伸びるかもしれません。高校や大学などの教育現場には、若者が主権者であることを意識し、重大な政治問題に向き合って議論を深めるために必要な教養を身につける機会の拡大が求められそうです。
2016年6月6日掲載