今でこそ普通選挙は当たり前ですが、かつてはごく一部の人しか選挙に参加できませんでした。
1890年(明治23年)に日本初の国政選挙として第1回衆議院選挙が実施されました。この選挙に投票できたのは一定以上の財産を持ち、それに応じた税金を納めた25歳以上の男子のみで、国民全体のわずか1%に過ぎませんでした。その後、明治時代の中頃から大正時代にかけ、より多くの人に政治参加への門戸を開くべきだとの声が国民の間で高まり、普通選挙を求める集会やデモが各地で開かれました。この普選運動は政府の弾圧を受け、一時は停滞しましたが、1925年(大正14年)に25歳以上のすべての男子に選挙権を認める普通選挙法が成立し、ようやく実を結びました。ただ、投票できるようになったのはなお国民の2割程度にとどまり、女性には選挙権が認められませんでした。選挙権年齢が満20歳以上になり、財産や地位に関係なく男女の誰もが投票できるようになったのは1945年(昭和20年)に日本国憲法が制定されてからです。