ビジュアル・ニュース解説

給与明細の中身と読み方を知る

2016.4.18 掲載
今春、社会人の仲間入りをした皆さんは初めての給料日を心待ちにしていることでしょう。給与明細には基本給や諸手当の金額だけでなく、社会保険料や税金の負担額など大事なことが記載されており、社会保障制度や課税の仕組みを知るきっかけとなります。今回は給与明細の読み方について解説します。

3.給与から差し引かれるお金~社会保険料

3.給与から差し引かれるお金~社会保険料
 控除項目欄には社会保険料や税金の金額など、給与から差し引かれる額が記載されます。社会保険制度は病気・ケガを治療する医療費や、高齢者への年金支給を保障する公的な仕組みで、給与を受け取っている人を対象とするのは健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険の5種類があります。
 社会保険料の金額はいずれも収入に応じて決まります。健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料は会社と従業員が半分ずつ負担、雇用保険料は会社が6割強を負担します。会社は従業員に支払う給与から社会保険料の従業員負担分を差し引いて国に納めます。介護保険料は40歳から徴収されます。労災保険料は会社が全額負担するので、給与からの天引きはありません。
 健康保険が適用されれば病院窓口での自己負担額はかかった医療費の3割で済み、医療費が高額になった場合は一定額を超えた分が戻ってきます。厚生年金は老後の給付だけでなく、病気やケガで一定の障害を負えば障害年金が、亡くなれば残された家族に遺族年金がそれぞれ支給されます。
 雇用保険への加入により、失業時の給付のほか、資格学校などで学ぶ費用の一部を補助する教育訓練給付金なども受け取れます。
2016年4月18日掲載