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民泊について知る

2016.4.4 掲載
民間の住宅の空き部屋に旅行者らを有料で泊める民泊が、訪日外国人客の増加によるホテル不足への対策や新たなビジネスとして注目されています。国内では法律上の位置付けがあいまいなまま広がっており、政府は活用のためのルール作りを急いでいます。今回は民泊とは何かや、国内で脚光を浴びている背景、普及の経緯、関連する制度の見直しについて解説します。

1.空き部屋を宿泊用に有料で貸し出し

1.空き部屋を宿泊用に有料で貸し出し
 民泊は戸建て住宅やマンションの空き部屋を旅行者らの宿泊用に有料で貸し出すもので、ホームステイのような交流を楽しむタイプと、マンションなどのオーナーが収益増を狙って貸し出すタイプに大別されます。
 貸し手が宿としてサイトに掲載した空き部屋から、客が好みの宿を検索して予約できるインターネット上の仲介サービスが登場し、世界的に人気が高まっています。そのなかでも急速に利用を増やして市場を主導しているのが、2008年に米国で設立された仲介サイト大手の「Airbnb(エアビーアンドビー)」です。世界190カ国の3万4000を超える都市で民泊を仲介しており、登録物件数は約200万件に上ります。日本でも13年からサービスを始めており、登録物件数は16年1月1日時点で2万6000件と前年の同時期に比べて4倍近くに、利用者数は5倍以上にそれぞれ増加。仲介サイトを通じた民泊利用が拡大しています。
 民泊は部屋の提供者と利用者の双方に利点があります。提供者は空き室などを有効活用できるうえ、居ながらにして世界中からの旅行者と交流できます。利用者は宿泊費を安く抑えられるだけでなく、旅行先の日常生活や文化を肌で感じることができるなど、既存の宿泊施設では味わえない楽しみがあります。
2016年4月4日掲載