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桜の種類、開花予想、花見の歴史…… 桜について知ろう

2016.3.21 掲載
今年も桜の花開く季節がやってきました。日本人と桜は古くから縁があり、日本最古の和歌集である万葉集にも桜の歌が収められています。最近は日本で花見を楽しむ外国人客が増え、インバウンド消費を支える観光資源としても注目を集めています。今回は桜の種類や開花予想の方法、花見の歴史などを紹介します。

1.品種が約300種以上ある日本の桜

1.品種が約300種以上ある日本の桜
 桜はバラ科サクラ亜科サクラ属に分類され、ウメやモモなど6亜属のうちサクラ亜属の花木を桜といいます。ヒマラヤ原産とされ、北半球の温帯に広く分布しています。鑑賞に向く美しい花の咲く種類はアジアに多く、日本列島のほか中国や朝鮮半島でも見られます。
 日本の桜はヤマザクラやオオシマザクラ、カスミザクラなど10種程度の野生種があり、これらから自然・人工交配によって生まれた品種が300種以上あるといわれます。花の色は白や濃淡の紅色で、花弁の数は5から350を超えるものまであり、その大きさもさまざまです。
 桜の多くは春に咲きますが、早春や晩春など開花時期には違いがあります。秋から冬にかけて咲くものもあります。日本の国土は南北に長いため、各地の桜の開花予想日を地図上で結ぶ「桜前線」は南の沖縄から北の北海道まで約4カ月かけて日本列島を縦断します。
 かつては桜といえばヤマザクラを指しましたが、現在は多くの人が「ソメイヨシノ」を思い浮かべます。ソメイヨシノは若木のうちから花がつくうえ成長が早いため、明治以降に街路や河川敷、公園、学校などに植えられた桜のほとんどはソメイヨシノになったからです。ソメイヨシノの誕生の経緯は諸説ありますが、江戸時代後期に江戸の染井村(現在の東京・駒込近辺)でエドヒガンとオオシマザクラを交配させて作ったという説が有力です。
2016年3月21日掲載