過去30年の日経平均株価の動きを振り返ってみましょう。日経平均株価は1980年代後半から90年代前半のバブル経済の時に高騰し、89年12月に過去最高の3万8915円まで上昇しました。しかしバブルの崩壊とともに急落。90年代は低迷が続き、2001年9月の米同時テロの直後には1万円台を割り込みました。03年後半から景気回復を反映して上昇に転じたものの、08年秋には米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻をきっかけとする世界的な金融危機(リーマン・ショック)の影響で下落。09年3月にはバブル崩壊後の最安値である7054円を記録します。これ以降も伸び悩み、1万円前後で推移しました。
潮目が変わったのは12年12月の第2次安倍内閣の発足でした。安倍首相が掲げた経済政策「アベノミクス」への期待が高まったうえ、13年4月に首相の意向を受けて日銀が大規模な金融緩和を実施。これが株価への追い風となり、日経平均株価は15年4月に約15年ぶりに2万円台を回復しました。
15年後半から、それまで世界経済を支えてきた中国の景気減速への懸念が強まったため上海市場の株価の下げ足が速まり、7、8月には上海総合指数が1日で約8.5%もの大幅な下落を記録。この影響は世界の株式市場に及び、日経平均株価やダウ平均株価などが下落しました。16年に入ると、中東諸国の政情不安や原油安などを背景に、投資家の間で世界景気の先行き不安が強まり、日経平均株価は1月に3カ月半ぶりに1万7000円を割り込みました。
世界経済の不透明感が増すなか、世界の株価指数の動向にこれまで以上に注目する必要がありそうです。