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米大統領選挙について知る

2016.1.18 掲載
2016年11月8日投開票の米国大統領選挙に向けて2月1日から、州ごとに民主、共和両党の候補指名を争う予備選挙が始まります。米国の指導者選びは世界の政治や経済に大きな影響を与えるため、選挙戦の行方を世界中が注目しています。今回は米大統領選について解説します。

1.予備選で各党の統一候補を絞り込む

1.予備選で各党の統一候補を絞り込む
 米大統領選は大統領の任期が切れる4年ごと(夏季五輪が開かれる年と同じ)に実施されます。現職のオバマ大統領は2017年1月に2期8年の任期を終えます。3期目の就任は憲法で禁じられているため、次期大統領をめざす選挙戦がすでに激しさを増しています。米国では民主、共和両党の2大政党制が確立しており、選挙戦は最終的に両党の候補の一騎打ちになります。
 大統領選は2段階に分かれます。第1段階は民主、共和各党がそれぞれ党公認の統一候補を指名するための予備選挙(予備選)、第2段階は当選を目指して両党の統一候補が争う本選挙です。
 民主、共和各党の統一候補は、一般党員の代理人である「代議員」が党の全国大会で投票して決めます。代議員は州ごとに人数が決まっており、どの大統領候補を支持するかをあらかじめ明らかにします。代議員を選ぶのが予備選で、党員(州によっては党に所属しない一般有権者を含む)が投票所で投票することで代議員を選びます。アイオワ州のように各地区の党員が集まる党員集会で話し合いによって代議員を決める州もあります。
 予備選を重ねる過程で十分な支持を得られなかったり、選挙資金が不足したりした候補は選挙戦から撤退します。予備選はこれまで1月上旬から6月ごろまで続きましたが、今回は初戦のアイオワ州党員集会の開催が2月1日と1カ月程度後ろにずれ、選挙期間が短くなりました。
 全代議員の過半数を獲得し、党の全国大会(今回は両党ともに7月に開催)で指名を受けた候補が大統領候補に決まります。最も多くの予備選が集中する3月の「スーパーチューズデー」までに大勢が決することが多いですが、オバマ氏とヒラリー・クリントン氏が争った08年の民主党予備選や、本命が不在だった12年の共和党予備選ではスーパーチューズデーを過ぎても候補が決まりませんでした。
2016年1月18日掲載