LCC(Low Cost Carrier)は運営の効率化によって大手航空会社より割安な運賃でサービスを提供する航空会社のことです。1990年代以降、米国や欧州で設立が相次ぎ、2000年代に入るとアジアでも急増しました。国土交通省によると、LCCの旅客シェアは今や北米で30%、西欧は38%に達し、東南アジアでは58%にも及びます(13年、国際線と国内線の座席キロ=座席数と輸送距離をかけた数値=ベース)。
LCCの台頭を後押ししたのが、1970年代後半から始まった世界的な航空自由化です。米国では78年以降、国内線への新規参入の規制が撤廃されたほか、航空会社が路線や運賃を自由に決められるようになりました。これに続き、93年の欧州連合(EU)の発足に伴い、欧州で規制の緩和・撤廃が進みました。近年は日本を含むアジアにも自由化が広がっています。運賃を自由に設定できるようになり、新規参入しやすくなったことでLCCは急速に増えました。アジアでは、経済成長に伴う航空需要の急拡大もLCCの台頭に拍車をかけています。