近年の邦画の健闘も好調の追い風になりました。日本映画製作者連盟によると、興行収入(映画館が得た入場料の合計)全体に占める邦画のシェアは2000年代前半は3、4割前後で推移していました。しかし2000年代後半以降は5、6割を占めるようになり、12年の邦画の興行収入は過去最高を記録しました。
邦画好調の背景にあるのが、複数の会社が資金を出し合って1本の映画を製作する「製作委員会」方式です。映画会社などが単独で全額出資して映画を製作すると、作品がヒットすれば多額の利益を得られる半面、興行成績が不振だった場合のリスクが大きくなります。そこで、現在はリスクを限定できる製作委員会方式による映画作りが主流となっています。製作委員会に参加する企業は、出版社、テレビ局、広告代理店といったメディア関連や商社などです。映画を製作すれば、出版社は原作など関連書籍の販売増が見込め、テレビ局は有力なコンテンツの放映権を獲得できます。商社はキャラクター商品などグッズの販売でも収入を得られます。製作委員会には様々な企業が参加しているので多面的なPRができることも、ヒット作品を生む要因の一つになっています。