映画業界は娯楽の多様化やビデオ機器の普及とビデオレンタルの登場などの影響で低迷が続き、最盛期の1960年前後には7000館を超えていた映画館数は90年代前半には1700館台まで減少。年間入場者数も11億人台から1億2000万人台にまで落ち込みました。しかし90年代に、館内に複数のスクリーンを持つシネマコンプレックス(シネコン)が登場したことで潮目が変わりました。シネコンでは常に複数の映画が上映されるため、利用者は鑑賞できる作品の選択肢が増えるうえ、人気作品は複数のスクリーンで同時に上映するので待ち時間が短い利点があります。飲食店や娯楽施設を併設していることが多いので、買い物や食事も楽しめます。シネコンならではの魅力がお客の呼び戻しにつながりました。現在はシネコンが国内総スクリーン数の8割以上を占めます。