ビジュアル・ニュース解説

映画業界と映画館の最新動向を知る

2015.7.20 掲載
2014年の国内の映画興行収入が4年ぶりに2000億円台を回復しました。その一方で、複合型映画館(シネマコンプレックス)の拡大でスクリーン数が増えたほか、大画面テレビやスマートフォンの普及により映画鑑賞の手段の選択肢が広がり、映画館を取り巻く環境は厳しくなっています。映画館各社は競争力を高めようと、最新の上映システム導入やサービス充実などに努めています。今回は国内の映画産業の概要と歴史、映画館の最新動向について解説します。

1.製作・配給・興行の3部門からなる映画業界

1.製作・配給・興行の3部門からなる映画業界
 国内の映画業界は「製作」「配給」「興行」の3部門で成り立っています。製作は映画を企画し、資金とスタッフを集めて作り、配給は上映する映画館を確保して映画を宣伝。興行は映画館を運営します。モノの製造・販売なら、製作がメーカー、配給は卸売業、興行は小売業にそれぞれ当たります。
 邦画は東宝、松竹、東映の映画大手3社が製作・配給・興行のすべてを担っています。洋画は邦画と違い、米大手映画会社(ハリウッドメジャー)の系列配給会社を通じて公開する場合と、国内大手3社の配給部門や独立系配給会社が映画を海外から買い付けて公開する場合があります。
 興行を担う映画館は映画大手3社の直営館や系列館のほか、独立系の映画館などがあり、米国の大手映画会社も参入しています。
2015年7月20日掲載