国際開発金融機関とは発展途上国の産業育成などのため、経済開発計画の立案に協力するとともに、必要な資金を供給する金融機関です。先進国が中心となって拠出した資金などを途上国に融資し、経済発展に必要な道路や鉄道、発電所、水道施設などのインフラ整備を支援します。
その代表格が世界銀行と国際通貨基金(IMF)です。1944年に米国・ニューハンプシャー州のブレトンウッズで、米国や英国などの主要国が第2次世界大戦後の世界経済復興について話し合いました。このときに合意した「ブレトンウッズ協定」に基づき、世界銀行とIMFが創設されました。
世界銀行は約190カ国が加盟しており、途上国の貧困解消のために長期的に資金を供給しています。中所得国への援助を手掛ける国際復興開発銀行(IBRD)、低所得国が対象の国際開発協会(IDA)、途上国の民間企業に融資する国際金融公社(IFC)など5機関で構成されています。一方、IMFは約190カ国が加盟しており、経済状態が悪化した加盟国を融資などで支援します。世界銀行とIMFを中心とした、米国主導の戦後の国際金融体制は「ブレトンウッズ体制」と呼ばれます。
世界規模の支援を担う世界銀行とIMFのほか、米州開発銀行(IDB)、欧州復興開発銀行(EBRD)、アジア開発銀行(ADB)など、支援する地域がより限定的な国際開発金融機関もあります。