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世界の高速鉄道計画と日本のインフラ輸出について知る

2015.5.18 掲載
 新興国を中心に世界で高速鉄道計画が相次いでいます。日本政府は成長戦略の一環としてインフラの輸出拡大を掲げており、新幹線の開発・運営などで高度な技術を持つ国内鉄道産業のグローバル展開に期待が高まっています。ただ、世界の鉄道市場では欧州メーカーが先行しており、中国や韓国勢など新たなライバルも台頭しています。今回は高速鉄道の歴史や建設受注をめぐる企業動向、インフラ輸出拡大に向けた日本の取り組みなどについて解説します。

1.インフラ輸出拡大のカギを握る高速鉄道

1.インフラ輸出拡大のカギを握る高速鉄道
 インフラとは鉄道や道路網、上下水道、発送電システム、情報通信網など、その国の経済活動や日常生活を支える基盤となる設備のことです。乗客の死傷事故ゼロの新幹線や漏水が少ない上下水道など、日本のインフラ整備の技術力は世界でも高いレベルを誇ります。しかし、少子高齢化が進む国内ではインフラ需要の伸びは見込めません。一方、世界では新興国を中心に整備計画が急激に増えており、インフラ輸出は新たな成長エンジンとして期待されています。政府は2010年に10兆円だったインフラ輸出の総額を、20年までに30兆円に増やす目標を掲げています。この高い目標達成のカギとなるのが鉄道で、なかでも期待されているのが高速鉄道です。
2015年5月18日掲載