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ハイレゾって何?~オーディオ機器業界の最新動向を知る

2015.3.16 掲載
CDをはるかに上回る高音質を実現したハイレゾリューション(ハイレゾ)音源が脚光を浴びています。より良い音で音楽を聞きたいとの声の高まりに応え、オーディオ機器メーカーはハイレゾ対応の携帯音楽プレーヤーやスマートフォン(スマホ)などを投入。業界団体も共通のロゴマークをつくるなど普及を後押ししており、次世代オーディオの本命として期待が高まっています。今回はハイレゾの基礎や人気の理由、関連業界が市場開拓に力を注ぐ背景などについて解説します。

1.CDの3~8倍の情報量で高音質を実現

1.CDの3~8倍の情報量で高音質を実現
 ハイレゾリューションは本来、「高解像度」を意味する英語です。オーディオ機器業界では、データ量をCDの3~8倍に増やすことで高音質を実現した楽曲データ(ハイレゾ音源)とその再生機器などを総称してハイレゾと呼んでいます。
 CDやDVDなどのデジタル音源の音質は1秒あたりの記録回数を示す「周波数」とデータの細かさを示す「ビット数」で表します。それぞれの数値が大きいほど、原音をより忠実に再現できます。
 電子情報技術産業協会(JEITA)はハイレゾ音源を「CDスペックを超えるデジタルオーディオ」と定義しています。つまりCD規格である周波数44.1キロヘルツ/ビット数16ビットののどちらかの数値を超えればハイレゾとなります。現在は「96キロヘルツ/24ビット」「192キロヘルツ/24ビット」がハイレゾの主流となっています。
 人間の耳が認識できる音域は周波数20ヘルツ~20キロヘルツで、CDは人間の耳には聞こえない約22キロヘルツ以上の高音をカットして音を記録しています。しかし、実際には高い周波数の音も人間は感じており、これが音の良さに関係しているといわれます。ハイレゾ音源はCDにはない高域の音も記録しているため、臨場感まで再現できるとされています。
2015年3月16日掲載