欧州では2度の世界大戦を引き起こし多くの犠牲者を出した反省から、戦後に一つの欧州をつくろうとの機運が生まれました。これを受けて1967年に「欧州共同体(EC)」が発足し、欧州域内の市場と経済の統合が進められました。93年には政治分野も含む広範な協力関係をつくることを目指しEUが誕生しました。
欧州統合の一環として実施されたのが、域内の各国が共通の通貨制度を導入する通貨統合でした。各国の独自通貨を廃止し、欧州全体で一つの通貨を使う歴史上類を見ない試みです。98年に域内の金融政策を一元的に担う中央銀行「欧州中央銀行(ECB)」が設立されました。99年に当時EUに加盟していた15カ国のうち、英国、ギリシャ、スウェーデン、デンマークを除く11カ国間の為替相場が固定され、金融取引で使用する単一通貨としてユーロが誕生。2002年にはユーロ紙幣・硬貨の流通が始まりました。