独特の味わいと香りがあり、琥珀(こはく)のような美しい色が特徴のウイスキーは、大麦やライ麦、トウモロコシなどの穀物を原料とし、木樽で熟成させてつくる蒸留酒です。ウイスキーをつくるにはまず「モルト」と呼ばれる大麦の麦芽(麦の種子を発芽させたもの)を粉末にして温水と合わせます。これを適温に保ちながらしばらく置くと、麦芽に含まれる酵素の働きによりでんぷんが糖に変わって糖化液になります。ここまではビールの仕込みとほぼ同じです。
糖化液をろ過・冷却してから酵母菌を加えてアルコール発酵(糖類が酵母菌などの働きでアルコールと炭酸ガスに分解されること)させると、アルコール度数が7~8%の「もろみ(ウォッシュ)」と呼ばれる液体になります。
次にもろみを蒸留し、アルコールを抽出します。もろみを蒸留器で加熱し、水より先に蒸気になるアルコールだけを集めて冷却し液体にしてウイスキーの原液(原酒)をつくります。この原酒を木樽に詰めて貯蔵し、長期にわたって熟成させると、樽ごとに異なる風味に仕上がります。ウイスキー製造の最後の工程は瓶詰めです。いくつかの樽の原酒を調合して香りや味を整え、水を加えてアルコール度数を調整してから瓶に詰めて製品として出荷します。