一般に日本では円高よりも円安の方が好ましいと考えられてきましたが、これは日本経済が自動車や電機などの輸出産業に支えられていたからです。
ただ、最近は製造業の生産拠点の海外移転が進んでいるため円安は輸出増に結びつきにくくなっています。円安の日本経済全体へのプラスの効果は以前よりも限られており、「円高はマイナス、円安はプラス」というこれまでの図式が成り立たなくなっています。
米連邦準備理事会(FRB)は14年10月に量的金融緩和策を終了し、いずれ金利の引き上げに動くとみられます。日米の金利差拡大は円売り・ドル買いをさらに促すため、円安局面はしばらく続きそうです。
安倍政権の強い意向を受けて日銀は大胆な金融緩和を続け、円相場が下落しましたが、円安は日本経済に必ずしもプラスにならないことが明らかになっています。現在の円安がいつまで続き、それが2015年の日本経済にどう影響するのか、日銀が今後どのような金融政策を打ち出すのか注目されます。